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2010/04/28 Wednesday 09:59:45 ICT |
13~20日に訪日したベトナムのボー・ホン・フック計画投資相は15日、東京都内で開催された日越経済問題等協議会に出席し講演した。参加者からは忌 憚(きたん)ない意見が同相にぶつけられた。
同協議会は2回目の開催で、民間外交推進協会(FEC)の日越文化経済委員会が主催し、在日ベトナム大使館が後援している。日越関係は政治レベルでは良 好だが、経済交流拡大に伴い実務者同士のトラブルも増え始めている。そこで、「タブーなく、真の理解を大臣と直接」(FEC関係者)という趣意で開催され た。
フック計投相は、世界経済が大きく後退した昨年でもベトナムは5.3%の成長を遂げた一方、弱点として、◇市場経済転換に向けた法律・政策がうまく機能 していない◇人材が不足◇港・空港・鉄道・電力のインフラが不足――などの問題が、投資誘致の弊害になっていると指摘。対越で最大の政府開発援助 (ОDA)供与国である日本が官民パートナーシップ(PPP)で南北高速鉄道(新幹線)などの大型インフラ案件で協力するよう訴えた。
■法律研修は欧米に
フック計投相は講演時間を20分早く切り上げ、質疑応答の時間に1時間以上を費やした。
ある大学の教員は、「大型インフラ案件でPPPと言うが、今のベトナムには、トラブルが起きた際の仲裁機関や司法の独立性・透明性がない」と述べ、「リ スク以上の収益を見いだせるか疑問だ」との認識を示した。また、世界各国のビジネス法律スクールにベトナム人研修生100人を送っているが、英国・オース トラリア・米国がほとんどで、日本には送り込んでいないという。これについてフック計投相は司法条約を早く日越間で結びたいと答えた。
このほか「外資初の動物病院運営の申請をしているが認可が下りない」「設計調査用として中古自動車を分解し輸入したいが無税で輸入できないか」という相 談や、「ベトナムは私立大学の数は多いが良い人材輩出校は少ないので、教育分野への投資先としてどうか」という大学関係者の関心表明もあった。
また、08年に予定していた外資企業と国内企業の最低賃金の一本化が進んでいない現状を指摘する意見も出た。
■新幹線どうなる
NNAは、裾野産業育成が省庁間の縦割りで進んでいないことを質問した。これについて同相は、「工業発展の基礎として裾野産業が発展しないと次の工業発 展段階に進めないことは憂慮している」と答えた。
また、ベトナム政府は「ハノイ~ホーチミン市1,600キロの南北高速鉄道(新幹線)を20年までに部分開通させる」と強気だが、「新幹線の20年部分 開通の根拠を示してほしい。現状では困難ではないか」と質問した。土地収用の遅れ、ベトナム人の建設・運営能力、何より国家予算の3倍の約5兆円を費やす 資金の捻出や採算性など課題が多い。
これに対しフック計投相は、「ハノイ~ビン間の300キロとホーチミン市~ニャチャン間の400キロを先行開業させる。700キロ以内であれば、航空便 にも対抗でき、採算性が合う」と述べるにとどまった。5月下旬から1カ月間のベトナム国会で事業化調査(FS)が決まる予定だという。
だが、フック計投相が訪日中の17日、ハノイで開催された次期国会の審議を話しあう国会常務委員会では、多くの委員が、巨額投資と採算性に懸念を示し た。グエン・ドゥク・キエン国会副議長が、「インフラ整備事業では、投資額が当初予定の1.5倍に膨れる傾向があり、高速鉄道の建設資金借り入れには、財 務上の安全性に留意し、慎重に検討する必要がある」と常務委の意見をまとめただけに次期国会の行方が注目される。
■原発視察も
日本滞在中、フック計投相は、仙谷由人国家戦略担当相、岡田克也外相、直嶋正行経済産業相、前原誠司国土交通相らと会談。南北高速鉄道、北部大型深水港 ラックフエン港、ホアラック・ハイテクパーク、人材育成などで日本のОDAや民間資金協力を要請したほか、新潟県の柏崎刈羽原子力発電所を視察。日本が第 2サイト受注を目指すベトナム原発の受注については、「日本の技術力を高く評価する」とのリップサービスも忘れなかった。また、北海道も訪問し、労働・漁 業・観光での経済協力の可能性をさぐった。
(NNA)
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